個人的な話で恐縮なんですが、学生の頃 ちょっと飲食店でバイトしてた事
がありまして、焼き鳥とワインをテーマにした（当時では割と斬新でお洒落な）
お店だったんです。で、店長がちょっと厳しい人だったんですよ。
入店時間ギリギリに行こうものなら 「飲食店の基本は１５分前入店だろう！」
とこっぴどく怒られたものです。 ５分で身支度を整え １０分でその日のメニュー
やワインの銘柄を覚え、勤務時間からは自分の力で動かなくてはならないんだ、
みたいな事を耳にタコが出来る程言われ、説教されまくったもんです。　しかし、
バイトなんて遊ぶためのお金を稼ぐ手段でしかなかった自分にとってはそんなの
ただの苦痛でしかなく、結局真面目なバイト仲間達に差をつけられ、時給も全く
上がらず（当たり前だけど）すっかり取り残され、嫌になって辞めてしまいました。
典型的なアホ学生のアホみたいな想い出です。

なんでこんな話してるのかって言うとですね、自分が昔あんなに嫌だった、あの
「１５分前入店」っていうのが全く苦じゃないどころかむしろ楽しんでいる女学生が
身近にいる！ことに気がついたから。
　　
オープンからよく来て下さっている仲良し５人家族、その真ん中のお嬢ちゃんが
最近大学生２年生になって、どうやらワインの美味しさに目覚めちゃったらしく、
最近ちょくちょくカウンターにお一人で来て下さるようになったんですよ。
彼女がまだ中学生だった頃から知っている身としては、お酒を出す時にちょっと
罪悪感を感じますが…　しかし、もう彼女も２１歳、れっきとした大人です。

　　ちょっと前まではクレープ好きのあどけない女の子だったのになぁ〜
　　　　　
　　　　　　　彼女の為によくクレープ焼いたっけ（料理人が）…

　　　　　彼女のお姉ちゃんと弟君もクレープ大好きだったなぁ〜
　　　　　
　　　　　　　　　　　三兄弟でよく取りあいしてたなぁ〜

最近は学校帰りに都心のスペイン料理のお店でバイトをしているようで、賄いを
食べるのが嬉しくて仕方ないようで、すっかり飲食店ライフを満喫している彼女、
バイトの日は張り切りまくって 入店予定の１時間前にはお店に入るようです。
え？　…１時間前って！！　「そんなに早く入って何するの？」と聞いたところ
「厨房の中を覗かせてもらってる」との事。　食材の扱い方や処理、調理の過程や
仕上げ、全てに興味津々なようです。しかも、勤務後も仕込みの手伝いを（自ら）
手伝わせてもらってます、なんて眼を輝かせて話してくれる彼女…。　
いや〜！こんなピュアな想いには誰も太刀打ちできませんね！頭が下がります…
「努力も才能のうち」っていいますからね、この偉大なる才能の持ち主が近い将来
どんな道を切り開くのか、戦々恐々としながらも微笑ましく見守っていきたいです。
彼女にクレープ焼いてもらう日も近いかも！

ああ、学生時代の自分に説教したい…。