マニアックの裏側
祈らずにはいられません。
美しい空気に包まれたフランス山岳地帯の乳牛達が
今日も幸せにのびのび暮らしていますように。
彼等が、栄養価が高く美味しい高山植物を沢山食べて、
山の清らかな空気を吸った高品質な乳が沢山搾乳されて、
無殺菌乳から造られる風味豊かなチーズが出来ますように。
農家製手造りならではの、繊細で味わい深いチーズ達が
空を飛んで、ここまで無事に送り届けられますように。
農家製手造りチーズ、ルブロション・ド・サヴォワ
フレ(左)と アフィネ(右) 食べ比べできます♪
ルブロション・ド・サヴォワはすべて農場製(フェルミエ)。
牧場主が自分の家畜(牛)の乳を搾り、農場内のチーズ製造所で
温度や湿度を調節し、凝乳からカッティング、撹拌、ホエーの
排出から成形まで全てをストイックにこなしているという、
(牧場主がひとつひとつ手造りしてる) 超マニアック・チーズ!
こんなのって、好きじゃなきゃ出来ない仕事だと思いませんか?
しかも、このルブロション・ド・サヴォワは、無殺菌乳チーズ
なのです。加熱殺菌をすれば管理がしやすいし、コストもかなり
抑えられるところを、雑菌混在のリスクを背負ってでも(処分する
チーズが出ても)一途に無殺菌乳にこだわる訳は、その土地固有の
環境微生物の力を借りて、テロワールを色濃く反映したチーズを、
ここにしかない物を造りたいという職人魂によるものなのです。
サヴォワの香りがそのまま閉じ込められた「フレ」
(フレ=フレッシュ)優しいミルクの味わいです
フレを熟成させて、ウオッシングを重ねたアフィネ
ねっとりした旨みと熟成香が、も~たまりません
「加熱圧搾」しつつ「ウオッシング」しているという、これまた
マニアックな手法。ハードタイプとも呼べるし、ウオッシュとも
呼べるんです。しかもフェルミエ製だし、完全無殺菌乳だし。
ああ、ずっと食べられますように。
毎日じゃなくていいから、頑張った日だけのご褒美でいいから
こんな愛情のこもった清らかなチーズが食べられますように。
よぼよぼのしわしわになっても食べられますように。
祈らずにはいられません。