氷原に生きる
ここはシベリア?それともアラスカ?
そこに見えるのはマッキンリー?エベレスト?
一瞬でも気を抜いたら幻覚が見えそうなほどの極寒。
ここは何処?私は‥‥ああ、厨房に居たんだった。
何を大袈裟に言っちゃってと思うでしょ?
(まぁ、多少そんな感じもありますが)しかし、
冗談抜きで冬の厨房は信じられないほど寒いのです。
ガンガン火を使っているのに寒いなんて不思議に
思うかもしれませんが、火を使っているからこそ、
ダクト(厨房用の換気扇)をフル回転させ続けて
厨房内に外の空気を取り入れなくてはならないのです。
ううう‥何か温かいものを食べなくては‥
熱々のカレーうどん、お願いします!
牛蒡や蓮根、蒟蒻が入っております!
このままパッと食べると必ず火傷します
鰹出汁が香る湯気に感謝するひととき
極寒の時期に生きる飲食店関係者たちは、熱々の
まかないを食べてなんとか生き延びようとします。
この一杯によって冷え切った体に生気を取り戻し、
再びシベリアの氷原へと戻っていくのです。
何をまた大袈裟な、って思うでしょ?
(まぁ、若干そんな感じはありますが)しかし、
本当に寒いんですよ。冬の厨房。