かなわんなぁ〜
「一体感」 を感じる時って、昔はよくありましたよね。
例えば クラス対抗リレーの優勝目指して皆で居残り練習した
放課後とか、修学旅行帰りの長距離バス内でのお喋りとか、
文化祭の出し物を本気で悩んだクラス会議とか。
大人になっちゃうとそうそう一体感を感じる場面ってないけど、
面白かった舞台の後のスタンディングオベーションとか、ライブの
後のアンコールをねだる拍手の瞬間なんかは ちょっぴり恥ずかしくて
優しい気持ち、あの懐かしい「一体感」を想い出したりするもんです。
飲食店にそんなの関係ないだろって思うでしょ? いやいや、
こんな小さな店でも一体感を感じる瞬間があったりするんです。
例えばお誕生日のお客様に特別デザートをお出しした瞬間に
お隣のテーブルのお客様も一緒に手を叩いて下さって、更に
そのまた隣のお客様もつられて拍手を下さって、それに気づいた
カウンター族の皆さんも「おめでとう〜!」なんて言葉をかけて下さって
…! もう店中の全員が たった一人のお客様に笑顔を向ける瞬間、
「おお、これはまさに一体感!」と感動させていただく事があるんです。
これは4人の合同バースデーパーティの時にお作りしたケーキ
(この時も店中みんなでお祝いしたっけ!)
美味しいワインでいい気分になったお客様達がげらげら笑ってて、
その笑い声があまりに面白くて隣のお客様がつられて大笑いして
その話をカウンターさんにお伝えしたらこっちでも大爆笑…みたいな
こともあるし、テーブルのお隣さん同士で仲良くなっちゃって、そこに
通りかかった他のテーブルのお客様がちょっと合いの手を入れたり、
そんな 最高に楽しい瞬間もあったりするんです。
自分達がどう頑張っても作れない空気を お客様達がいとも簡単に
作ってしまう夜、 かなわんなぁ〜と思いつつ何ともいえない温かさ、
「一体感」を味わえる瞬間、 どんな料理よりも美味しい思い出が
ワインのつまみになるんです。