ああ、無情
フランス南西部の田舎煮込み、カスレ。
クルルが世田谷にあった頃は、ちょっとした
名物料理でした。色んな雑誌にも取り上げて
もらったし、同業者も沢山食べに来てくれたし、
カスレの為に遠方からわざわざ来て下さる方や
カスレパーティを開いて下さるグループなども。
あの頃の冬は、本当に連日カスレ、カスレでした。
クルル風カスレ(仏南西部田舎煮込み)
白隠元豆が肉の旨味を吸いまくっております!
要は色んなお肉がぎっしり詰まった熱々お鍋。
2~3人でこれ食べて、それだけでお腹が一杯に
なってしまう訳ですよ。これ以外はせいぜい葉っぱ。
つまり、み~んなサラダとカスレの2品。そうなると、
フランス料理の稼ぎ時である真冬の売り上げが急に
ガクンと下がる訳です。お客様はちゃんと来てるのに。
そうなると、どうなるか。暇な夏の分を取り返さなくては
ならないはずの冬の単価が極端に下がり、なんなら経営が
危ぶまれる程の事態に陥るのです(税理士さんに指摘される
まで気が付かなかった我々もどうかと思いますが‥)。
ああ、無情。カスレは、魅力的で美味しい料理だけど、
お腹いっぱいになり過ぎちゃう危険な奴だったのです。
というわけで、ここ数年は涙を呑んで、カスレを
封印しておりました。お店なくなったら困るしね。
でも、冬になると聞こえてくるのは、「カスレ‥」
「カスレ‥」のお声。ああ、無情。
じゃあ、ちょっとだけ復活!!
年末年始特別コース(松コース)のメインで
お鍋ではなく、皿盛りで、少しずつ
仔羊、牛スジ、三元豚、鴨のコンフィ、
自家製ソーセージ、白隠元豆などなど
苦肉の策で、コースに組み込んでみましたが、
今のところかなり好評を頂いております(*^▽^*)!
クルル風カスレが好きだった方、食べた事ないけど
食べてみたい方、今が食べ時です!
懐かしの味~