カスレ2026
ガツンとした料理が食べたい季節ですね。
ところで、フランス料理においての「ガツン」とは?
ブーダンノワール?テットドコション?山鳩のサルミソース?
いや、やっぱりガツンの代表といえば、「カスレ」でしょう。
それこそ肉、肉、肉だらけの煮込み、仏南西部の郷土料理。
カスレ、昔うちの店でもやっておりました。
本場カルカッソンヌやトゥールーズの「超濃厚」を基本に
クルルっぽさも(田舎臭さ?)も兼ね、フォンドヴォーを
基礎にしたナヴァランダニョー(仔羊の煮込み)を柱として
牛スジや豚足、仔羊や鶉のつくね、豚肉のソーセージ、
鴨脂で仕上げた香味野菜と肉汁を吸いまくった白隠元豆。
仕上げに上に乗せる鴨のコンフィ。まさに肉、肉、肉祭り。
これ、すんごい人気メニューになりまして、
当時は色んなメディアにも取り上げられたもんです
(当時若い頃のうちの料理人はまだメディアアレルギーの
症状が出ておりませんでしたので)笑。
クルル世田谷時代の懐かしいカスレ

熱々ぐつぐつしてる中に色んなお肉がぎっしり!
白隠元豆や香味野菜を使うので肉オンリーではないものの
やっぱり「ねっとりこってり超絶ガツン系料理」です。
この頃はまだ我々も若かったので、自信たっぷり肉たっぷりで
「カスレぇいかがっすかぁ~旨いっすよ~!」状態でしたが、
あれからウン十年。段々と食べるものも変わってきました。
豚骨ラーメンよりお蕎麦が、大トロより赤身が安心… (;^ω^)
で、やっぱり自分たちが食べたいものじゃないと自信を持って
作りたくないし売りたくない訳ですよ(わがままでスミマセン)。
そんな訳で、カスレを作らなくなって十年以上。
クルルにカスレがあったことすら誰も覚えてない平穏な日常。
しかし去年の暮れに突如「久しぶりに日本に帰るんです!
あ~クルルのカスレ楽しみ~!こっち(フランス)のカスレは
脂っぽくて個人的にはダメなんだよねぇ。うちの奥さんといつも
クルルのカスレ食べたいなぁ~って言ってたんですよ~笑」
という電話がかかってきまして。いや、これ、もう、
「やってない」なんて口が裂けても言えないやつじゃん。
そんな訳で、カスレ2026バージョン

南西部というよりむしろパリ風(勝手に)
どうせ作るなら「我々が食べたいカスレ」作ろう!
という事になりまして、旨味は決して落とさず(むしろ上げて)
しかし脂っぽさやコッテリ感は排除、トマトのやみつき感を
前面に出しつつ、質の高いお肉だけで構成された一品。
野菜や粒マスタードを添えて「よりさっぱり」もOK

白隠元豆と香味野菜は以前より多めになりました♪
そして決戦の日、フランスから一時帰国されたご夫妻様。
まずお皿の見た目から「前とは雰囲気が違うね」と言いつつ
口に入れた瞬間「ああ!クルルの味!美味しいっ!」
以前よりだいぶさっぱりさせたはずではありますが、根底の
旨味成分はやっぱりそのままだったようで、ペロッと平らげて
下さって、更に「帰国する前にもう一度食べに来たいなぁ」
とまで仰ってくださいました。あ~良かった (;・∀・)
そんな訳で(長くなりましたが)
久しぶりのカスレ、寒い間、やってます。