土から見るワイン
職業柄、レストランに行ってこのワイン美味しいなぁ〜と感じると
ボトルの裏ラベルを見て、インポーターを確認せずにはいられません。
で、そういう時「あーまたこのインポーターだ!」っていう事が何度も
ありまして、スゴく気になる存在だなぁ〜って思っていたんです。
でも、そのインポーターさんは「気に入ったレストランにしか卸さない」
っていうウワサがあったし、うちが気に入って頂けるか心配だったし、
「つて」を辿るご縁もないし…とモジモジしていたんです。
そんな時、偶然知り合ったシェフがそのインポーターさんと仲良しとの
事で、ちょっとお口添えして頂いちゃったりして、そのお陰で 今回、
うちの引越しをキッカケに取引をさせて頂ける事になったんです。
ハスミワインの蓮見さん
よろしくお願いします!
蓮見さん曰く「フランス人は本当に美味しいワインは海外に出さない」
との事。高く売れる商業用ワインや、そこそこ安いけど内容は「?」な
感じのモノを輸出して、「本当に美味しくてリーズナブルなワイン」は
自分達で消費しているみたいです。 そりゃそうだ、って感じですよね。
そんなところを切り崩すのが彼女、蓮見さんの得意とするところでして、
真面目でストイックな造り手さんのプライベートワイン(商業用とは別に
自分達用に作ってるワイン)や、地元だけで消費されるような小規模
生産者さんの元へ乗り込んで、フランス語で交渉に交渉を重ね(アナタの
ワインは凄く旨いから買いたい!買わせてよ!っていう感じらしいです)、
時間をかけて信用を勝ち取って、取引に至る…。
スゴイ事ですよ。並大抵の日本人じゃマネ出来ない事です。
ハスミワインの地下倉庫
見学させて頂きました!
もともと地質学(!)を学んでいた学生時代、アメリカやカナダなどへの
留学を経験して、フランスへも何度も訪れている彼女…。
英語は日本語より得意だそうで、フランス語もフランス人と喧嘩出来る
くらいのレベルだそうで、しかも結婚前は旅行会社勤務で世界中を
飛び回っていた彼女ですからね、肝が座りまくっている訳ですよ。
しかもとびきり、神々しいほどに才女…。お話のテンポの良さにどんどん
引き込まれます。この人からワイン買いたいなぁ!って思わせてくれます。
「え〜と、ここの造り手はねぇ…」
全部のワインに想いが詰まっています
専門分野の地質学をフルに使って、ワインはまず土壌からチェックし、
テロワール、品種、木の状態、樽選び、醸造法…全てに眼を光らせます。
だから、彼女が選んで交渉を成功させて日本に送り届けられたワインは
どれもハッとするほど美味しいし、作り手の愛情が感じられるんです。
わ〜試飲までさせて頂いちゃった〜
全部旨いんですけど〜っっ
ヴァン・ナチュールやヴィオデナミ、又はそれに準ずる自然派ワインでも
蓮見さんは敢えてそれを宣伝文句には使いません。 「ここ最近は、
一流の造り手達はみんな普通に有機農法(又はそれに準ずるもの)で
頑張ってるし、そんな事当たり前すぎるからいちいち言わない」そうです。
だからといって、ビオワイン・マニアとは一線を画する彼女、「ビオワインは
頭痛くならないなんて嘘だよ。酸化防止剤を全く入れてないワインなんか
ゆらゆら揺れる船に乗っけられないんだから。もしそんなのがあったら、
日本に付いてる頃には腐って呑めないよ」との事。そりゃそうだよなぁ。
そんな訳で、最近うちのワインリストはハスミワイン率高いんです。
グラスもハスミワインのイチオシ、めっちゃ美味しいのをご用意してます。
蓮見さんから美味しいワインを卸して頂くためにも、手を抜くなんて
出来ませんからね! お客様還元型ビストロであり続けられるように、
品質の良いワインを何時でもご用意できるように、頑張ります!