器の中で潰れてしまった葡萄の果実、その果汁が発酵して
自然発生的に生まれたのがワイン。
器の中に長時間放置されたミルクが自然界の乳酸菌によって
固まったものがヨーグルト。
更にそれを草や藁などで編んだ籠に入れておいたら、自然と
水分が漉されて成分が濃縮し、生まれたのがチーズ。

そして、パンも自然発生的に生まれた物のひとつ

クルルの自家製パンは、天然酵母のライ麦パンです

麦などの穀物を生のまま、あるいは煎って食べていたのが
新石器時代の人々。やがて彼等は穀物を石で潰して水を加え、
粥のようなものを作って食べるようになり、更にその粥の
濃度をあげて石の上で焼いてみたのがパンの始まり。

古代の記憶のせいでしょうか、パンを恋しく思うのは

ヨーグルトからチーズ、お粥からパンが生まれ…

自然発生的に生まれた食品達、そんな歴史ある味わいに
深い愛情を感じてしまうのは、古代から続いてきた潜在的な
記憶でしょうか。それとも単純に、食い意地でしょうか。

ワインとチーズ、そしてパン。
切っても切り離せない三角関係にまつわる歴史。
繋がり続けてきたその禁断の奥深い三角関係に身を委ねて
自分を解放する時、受け継がれてきた人類の食い意地を
誇らしく、愛おしく感じるのです。
とか言ったりして。