お客様の好きな食材や調理法、その日の気分や体調など
何も知らずに「今日は〇〇がお勧めです」なんて一方的に
言うのは、お客様にも失礼だし何か違う気がする、と以前に
書かせていただいた事が（生意気にも）あるんですけれど
ここだけの話 実は、お勧めしたくないお料理もあるんです。

サービス人のくせに何を言っとるんだ！と怒られそうですが
今の日本において「すごく慣れ親しんだ食材」という訳では
なく、どちらかというと好みのはっきり分かれるモノ。例えば
「鳩のロースト〜一羽分〜」というメニューなんかがそうです。

　
　　　　　　　　　鳩のプラモデル状態です〜。

　一羽分まるまる使っています。胸肉や腿肉、ささみ、レバー、
心臓、砂肝など全ての部位をパーツごとローストしてそれぞれの
違いや美味しさを楽しんでいただこうというお皿です。ですけどね、
「好きな人は好き」だし「嫌いな人は嫌い」なんですよ、鳩って。
食べ慣れた肉じゃないし、独特の風味があるし、何といっても
食べるところが少ないんですよ、鳩って。体が小さいですからね。
だから、まるまる一羽分使ったって2人でこのお皿をシェアしたら
ちょっと物足りないかもしれません（前菜の品数にもよりますが）。

　そんなこんなで、「鳩は美味しい！」と心から思っていても
積極的に「今日のお勧めは鳩です！」なんて言えない訳ですよ。
言えませんけど、鳩好きなお客様にはぜひ食べて頂きたい一品です。