昔、「格好良すぎる女の子」がいました。
垢抜けた雰囲気で、一匹狼って訳じゃないけど群過ぎず、
適度に社交的で適度に世間話も出来て、ガリ勉じゃないのに
なぜか成績は中の上くらいで、スポーツもそこそこ出来て、
制服を自然にお洒落に着こなす同級生。いるんだよなぁ～
どう足掻いてもこんな人には勝てない、そういう格好良い人。

野菜界で噂の「格好良すぎる野菜」

ミニ・フェンネル（又はミニ・フヌイユ）

校則にギリギリ違反しないミニスカートの丈、そこから伸びる
長くて健康的な足、お洒落な香りの長い髪をかき上げる仕草、
教室の窓際でウオークマンを聞く彼女から漏れてくる最新の洋楽、
急に男の子に声を掛けられても狼狽える事なく、ゆっくり視線を
合わせた後で生意気と愛嬌の中間にあるスマートな笑顔で自然に
微笑んでみせるそのお洒落さは、憧れを抱くに十分すぎました。

今頃きっと、うちの冷蔵庫の中で同じような事を思っている
野菜達がいるんじゃないかなぁ。「あの娘、格好良いよね～」
「まあね、西洋野菜だもんね」「ハーブの香りがするんだって」
「なんか、南仏のリキュールのパスティスに似てるんだって」
「え～超お洒落なんだけど～」「味はちょっとセロリっぽくて
瑞々しいんだって」「あ～あ、いいよねぇ～西洋野菜は」
なんてね。

あ、でも、これ国産の西洋野菜なんだけどね。