プラットホーム
9月は別れのシーズンです。
昔、同じようなこと書いたと思いますが、
シェルブールの雨傘の、あの別れのシーンに
未だに泣けてくるのです(しつこいんだよね)。
ギィとジュヌヴィエーヴがシェルブール駅のカフェで
最後の別れを惜しむ場面。もの悲しくも甘い曲調と、
カトリーヌ・ドヌーヴの美しすぎる横顔をつたう涙。
日本の田舎者がすっかりフランス娘の気持ちになって、
何度見ても泣けてくるのです(しつこいけどね)。
鮎と別れるときは、あの曲が頭に浮かびます
デュピィ~ケルクジュ~ルジュヴィ‥‥
今年も何度鮎をテーブルに運んだことでしょう!
ランチのヴァカンスコースで、ディナータイムの
アラカルトで、「頭から尻尾まで召し上がれます♪
上にはオレンジとレモンの皮とマカダミアナッツ‥‥」
と何度説明させて頂いたことか。あの焦がしバターの
香り、ホクホクとした触感、あなたはもう、いない。
鮎は、駅のプラットホームから旅立っていきました。
残された自分の足元、揺れる影。頬をつたう涙。
ジュヌヴィエーヴは歌います。ああ、行かないで。
あなたが居ないその瞬間、私はこの世に存在しない。
でも私の愛だけは残るの。残るの‥‥。
鮎は、もう振り返りません。
ああ、あなたまでも旅立ってしまうの!?
行かないで、ゴーヤ!!
夏を彩った食材たちは、今汽車に乗り込み、
思い出だけを残して去っていきました。
さよなら鮎、さよならゴーヤ、さよなら桃!
そんな訳で、これから秋の食材がやってきます。