腿肉はお団子にします
今シーズン、思えば色んな野生の動物とお目にかかれました。
北海道の知床から小鹿が来てくれたり、フランスのソローニュの森から
青首鴨のカップルが来てくれたり、鶉(赤岩シャコ)の柔らかい女の子、
ミルキーで旨みたっぷりな雉(きじ)のこれまた柔らかい女の子、そして
島根の大田から来てくれた2歳程度の可愛いウリ坊… 野生の恵みに
感謝しつつ、生命力あふれるお肉達からたくさんのパワーを頂きました。
粋な食の祭典じゃないですか、ジビエ! ああ〜楽しいなぁ!
で、ジビエと言えば団子ですよ、だんご
うちの店では、ジビエは基本的に「焼き」で楽しんでいただくんですが、野鳥の
野性味の強い腿(もも)肉などの部位はこんな風にミンチ状にしちゃいます。
色んな香草や青森にんにく、美味しい塩と胡椒を加えたらクレピーヌ(豚の網脂)
でやさしく巻いてソーセージ風(だんご)に成形するんです。
こんな風に巻いてます
柔らかいから丁寧に丁寧に…
旨みたっぷりな網脂に包まれた腿肉達
だんご何兄弟〜
これからじっくり香ばしく焼き上げますよ!
野性味の強い腿肉の味わいと、甘くとろけるような旨みを持ったクレピーヌとの
夢のデュエットです。これを各ジビエ料理(野鳥)のお皿にめいめい相乗りさせて、
ピンク色に焼き上げた胸肉やささみ、手羽元なんかと一緒にお出ししています。
お肉の部位それぞれの味の違い、食感の違いが楽しめるようになってますから
よりそのお肉を深く愛する事が出来るし、それに合わせるワインを選ぶ楽しみも
広がる、という感慨深く愛情深いお皿です。
しっとりジューシーな胸肉にはピノ・ノワールを合わせたい… いやでも、香ばしく
頼もしい腿肉のお団子にはスパイシーなカベルネがいいかな… いやいやシラー、
グルナッシュも合いそうだな… ああ、優柔不断な僕のばかばか!みたいな。
あ、妄想が行き過ぎました?すいません。
でもね、せっかくのジビエですからね、この時期だけのお祭りみたいなものですから、
ヨダレを垂らしながら思いっきり迷って悩んで楽しんで頂きたいものです。