みちのく肉の旅 パート1
たまにうちの店に食べに来てくれるキラキラ輝いた
若い料理人の方々がいるんですよ。刺激になります。
それでこの前そのなかのひとりに「将来自分の店を出すの?」
って聞いたら、「とりあえず早くヴィアンド(肉を調理する班)に
行きたいんです。肉をきちんと焼ける料理人になりたい。
将来のことはそれから考えます」と真剣な顔で答えてくれました。
大きなレストラン(グランメゾン)では冷前菜、温前菜、
魚料理、肉料理、デザート、みたいに調理場が決まってて
その中でも肉を任されるっていうのはいわゆる花型で、
より一人前に近づいた!ってことらしいです。
そういえば、知り合いのシェフが昔、「どんな状況でも
全てのオーダーの肉を完璧に納得のいくロゼ(ピンク色)に
仕上げることが出来るようになったら、俺は自分の店を
開こうと思った」って言ってたのを思い出しました。
「肉を焼く」っていうのはフレンチの料理人にとってステータスで、
また「クオリティの象徴」みたいなものなんだなーと思ったものです。
これは白金豚(プラチナポーク)
ロゼに仕上げるっていうのは半ナマに仕上げるって事ではなくて、
大きな塊のままゆっくり時間をかけてローストすることによって
肉汁を中に閉じ込め、中までしっかり火が通っているのに肉色は
ジューシーなピンク、柔らかい食感に仕上げる事を言うんです。
「言うんです」って。自分が造ってる訳じゃないのにね。
すいません
つづく