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まだまだむの寝言

なに寝言言ってんだよ、くらいの軽く広い心で見守ってください。

故郷の水

 実家に帰るとまず最初にやる事は、愛犬の犬小屋に頭を突っ込んで
天国に旅立った愛する犬の臭いを嗅ぐことなんです。これを友人に話すと
「薄気味悪い」と言われますが、妙に落ち着く臭いなのでやめられません。

で、次にやる事は、台所に行って水道の水をがぶがぶ飲むこと。
うちの実家は夏でもひんやり冷たい水が出てきて、優しい飲み心地で、
市販のミネラルウオーターを買う必要がないのが、ちょっと自慢なんです。

居間でダラダラするのに飽きたら 今度は裏の山に行って、ターザンごっこ
や秘密基地をさんざん作った場所を見に行きます。木の皮の香ばしい匂い
とか土の匂い、葉の音。 空気の重力を感じたり、山の空気と一体になる
感覚を楽しみます。子供の頃は何とも思っていなかったこの一つ一つの
ことが、最近はとても贅沢に感じられるから、何だか不思議です。

夜には 近くの港で採れた新鮮な魚や蟹、いろんな貝を買ってきた父と、
地元の野菜を沢山使って具沢山の味噌汁を作ってくれる母と、久しぶりの
食卓を囲みます。実家は山にも海にも囲まれていて、海産物も 野菜も
米も果物も、そして美味しい日本酒だって沢山ある恵まれたところです。

          自慢の故郷、福島県いわき市です
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         これは震災前に撮った小名浜の写真

          この漁港にある水族館の魚達
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    いわきの海を再現してるブースがいっぱいあるんです

      温暖な海、美しい山、良い空気と美味しい水の里
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   謙虚で、慈悲深くて、働き者が多い、いわきの農家の人々

3月11日におこった地震と津波、そして原発問題と 立て続けに衝撃が
走ったあの日、我々福島県民はただ呆然とするしかありませんでした。

今、ようやくちょっと落ち着いて、そして色々考えます。
自分は東京にいて小さい商売をしている身で、今すぐ故郷の復興のために
直接役に立つ事や、どーんと大きな事が出来ません。でも、今すぐ出来ない
からと言って諦めてもいません。自分なりに、冷静に、じわじわと、ゆっくりと
時間をかけてしつこく故郷に恩返ししていくつもりです。

もー返してよ!水と空気と日常返してよ!なんて言ったって帰ってこない。
今回の事で実感として心に響いたのは、「人生は一度きり!」ってこと。
当たり前に分かっていたつもりなのに、全然分かっていなかった気がします。
小さなビストロに何が出来る?いや、出来る事はいっぱいあるに決まってる。
だって、可能性なんか自分で勝手に作ればいいんだもの!

    再びいわきの格好良い漁師達にバリバリ活躍してほしい
    iwaki-4
    おっちゃん達、また美味しいメヒカリ食べさせて下さい

水道のお水をがぶがぶ飲んだり、山の空気を胸いっぱい吸い込んだり、
いわきの美味しい海の幸、山の幸たっぷりの味噌汁に舌鼓を打てる時は
また必ずやってきます。だから その日まで、クルルも一緒に歩いて行きます。

今年もビストロクルルを可愛がってくださった皆様に心から感謝申し上げます。
来年 クルルはチャレンジの年になるし、これからもずっとチャレンジし続けるし、
しかし初心は忘れずに、一歩一歩良い方角を探し歩いて行きます。

皆様、これからもビストロクルルを宜しくお願い致します!