マンガ×フランス料理
「漫画家」って呼ばれてる男の子がいたんですよ、高校生の頃。
ちょっと変わってるけど明るくて面白い子で、いつも4コマ漫画を描いてて、
なぜかサザエさんやドラえもんみたいな既存のキャラクターを主人公にして
例えばサザエさんが「カツオー!」って呼ぶと、池から魚のカツオが来る…
みたいな くだらなすぎる内容だったんですけど、その頃はお箸が転がっても
ゲラゲラ笑えるようなティーンエイジャーでしたから、「漫画家〜マンガ見せて」
って言っては、授業中に笑いを堪える楽しみを味わわせて頂きました。
それから7年後、何の因果か自分が漫画家になっていましてね、
マンガが自分に向いてるのか向いていないのか考える暇もないほど
がむしゃらに描いて描いて描きまくっていた日々を7年続けた後、今度は
何の因果かフランス料理店でまだまだなマダムになってしまいましてね、
飲食店に向いていないのは重々承知してはいるんだけど、とにかく
がむしゃらにお皿を洗って洗って洗いまくった日々を8年近く続けましてね、
そんなこんなで現在に至っている今日この頃なんですが、人生って何だか
面白いものです。何の因果かまた漫画を描かせて頂けたんですから!
しかもマンガの雑誌じゃなくて、「専門料理」様に
下手くそな絵の漫画家ですが…
フランス料理の歴史を漫画でサクっと紹介する、という面白い企画です。
200年前の名門貴族達の晩餐会で出されていた壮麗な高級料理から、
19世紀後半に起こったロシア式サービスへの変革の流れ、20世紀前半の
レストランの多様化に伴う料理の多様化、戦後の社会の流れと人々の意識
の変化、それに対応していく新しいフランス料理のあり方、次々に現れる
個性豊かな料理人達…と、盛り沢山な内容。11ページに詰め込めたのは
はっきり言って奇跡です。そして、締切に間に合ったのも奇跡です。
真夜中のカウンターに浮かび上がる漫画家
面白い図だったらしく、料理人がこっそり撮っていました
最後のほうはもう呑みながらやってました…(スミマセン)
久しぶりの徹夜も何だか楽しかったなぁ(今だから言えるけど)
不器用なので漫画とフランス料理屋の両立は出来ないなぁ〜、と
漫画への復帰は諦めていたのですが、思いがけずこんなチャンスを
頂けて、本当に楽しく、時には辛く、でもやっぱり楽しかったなぁ!
授業中に笑いを堪えていた日々から21年の月日が流れ、ついに
漫画とフランス料理が合体、綜合する時がやってきました。
ビストロのカウンターで漫画描くのって斬新ですね
料理人もゴム掛け(消しゴムで下絵を消す事)手伝ってくれました
フランス料理の歴史をサクっと手軽に知りたいアナタ!必見です。
それにしても絵は下手です。ホントスミマセン。