キャベツの湖
チャイコフスキーの優雅な旋律に合わせ、
オデットのように現れたザ・主役の冬キャベツ。
誰もが彼女の素晴らしい踊りに魅入っているところ、
乾杯の踊りあたりで出てくるキャベツ類の乙女達。
奥ゆかしい芽キャベツや存在感のあるブロッコリー、
お洒落なロマネスコ、キュートなプチ・ベールなどが
頬を赤らめ、目を輝かせ一斉に袖幕から躍り出てきます。
そう、キャベツの仲間たちの旬が始まったのです。
旨み多いちりめんキャベツもね
噛めば噛むほど美味しい野菜です
存在感も洗練も、キュートも全部
このちりめん状に詰まっております!
果たして、王子は見つけられるでしょうか?
こんなに魅力的なキャベツ達の中、誰がオデットか
誰がその他大勢の乙女達だかなんて、どうして
分かるものでしょうか?王子にそんな審美眼が?
いいえ、無理に主役を限定するべきではありません。
全てのキャベツ類が今、この瞬間、オデットなのです。
ああ、愛しいキャベツ。胃にも優しくてありがとう。