にらめっこしております
うちは未だに自家製でコンソメをひいています。
未だにっていうのは、それこそ手造りコンソメに
限りなくクオリティの近い既製品や、好みの配合を
伝えれば、代わりに作ってくれる専門の業者などが
揃っている最近の飲食業界、わざわざ大量の食材を
用意して、3日間つきっきりで、一人シェフ体制で
毎回大型の寸胴とにらめっこしているっていうのは
良いのか悪いのか仕込みへのこだわりが強すぎるのか、
でも「あ~やっぱりクルルのコンソメ美味しいなぁ」
なんて言われちゃうと嬉しくて幸せで、そんなこんなで
気が付いたら17年近くコンソメをひいている訳です。
2日目のコンソメ様はこんな感じ
不純物が上に浮き上がり、下が透き通ってきます
1日目は国産の新鮮な鶏ガラと大量の香味野菜を合わせ、
美味しいミネラル水でじっくり静かに煮込んでいきます
(絶対に沸騰しないように見張りながらコトコトと)。
2日目は牛スネ肉のミンチに香味野菜と卵白を合わせ、
昨日のスープとトマトペースト、赤ワインを一緒にして
再び沸騰しないようにゆっくり煮込みます。そのうち、
卵白によって不純物(お肉や野菜の出がらし)が浮いて
くるので、それと美しく澄んだスープを分けます。
3日目は、2日目のコンソメの様子を見ながらゆっくり
煮詰め、好みの濃度に調節した後、丁寧に冷やし固めて
ようやくコンソメゼリーの出来上がりです。
出来立てのコンソメの香りはヤバいです!
この香りだけでご飯食べられそうです!!
さて、3日かけて出来るコンソメは
こんなに少なくなります‥(;^ω^)
コンソメなんて買えばいーじゃん、その分もっと
色んな仕込みに時間使えるじゃん!って、言われたり
することあります。同業の先輩や仲間たちに。
確かにそれも一理あるんですよ。大体一人シェフだから
手が回らない仕込みがあり過ぎて、仕込みの為に休日
出勤なんて事、しょっちゅうなんですから。それでも、
ただ「美味しい」の一言の為に、食いしん坊の為に、
「寸胴とにらめっこ」の日々が続いてしまうのです。