湯気のプラットホーム
おでんの夢を見た朝は、必ずお腹が鳴って目が覚めます。
その日はもう一日中おでんの事しか考えられない程、おでんに
心を奪われてしまうんです。 大根…里芋…蒟蒻…レンコン…
ランチのお客様に今日のメニューを説明しながらも心のどこかに
おでんがいます(いいのか?いや、よくない!ホントすいません)。
洗い物をしながら、コーヒーを飲みながら、しかし心の奥底では
おでんの湯気の中、あの夢のような心地を想像しているのです。
病気でしょうか?
不憫に思ったのか、ようやく料理人が作ってくれました
おでん…(涙目)!
最初は汁をたっぷり入れて、熱々のご飯と一緒に頂きます。
次の日、具にたっぷり旨みが染み込んだら、汁なしで、白ワインの
アテに!更に次の日のシミシミおでんは、またご飯と一緒に…!
しかし、めくるめく夢のおでんライフはせいぜい3日で終わり。
あなたは帰ってくるの?次は何時会えるの?オー、モナムー!
シェルブールの恋人達がプラットホームで別れたシーンのように
楽しい夢は、必ず終わりを告げるのです。