日本の宝 in ロサンゼルス
うちの店、今でこそお客様の年齢層 10代から90代までと幅広くて
とっても有難いんですが、オープン当時は住宅街という場所柄もあってか
割と年配のお客様が多かったんです(それはそれで有難いんですけど!)。
で、そんな中 遅い時間によく通って下さる若いカップルがいましてね、
若い方がそうそうフランス料理に頻繁に来てくれるって珍しいですから
すごく嬉しかったし、食べっぷりの良さに何だかウキウキさせられたもんです。
その内、実はお二人共大学院で遺伝子を研究している学者さんだとお聞きして
びっくりしたり、ご結婚の報告がてらクリスマスにディナーを楽しんで下さったり、
他のお客様たちも交えて皆でお祝いに記念撮影したり… 楽しかったなぁ!
そして、お二人揃って九州の大学に務める事になったというご報告を受けた
あの日… 寂しかったなぁ〜!…でも、東京に用事があっていらっしゃる時には
うちにも寄ってくださったりしてね、再開に感動したものですよ。 そしてその後、
今度は何とロサンゼルス(!)で研究をする事になったというご報告を受けて…。
ひいきにして下さったお客様と離れるのは、飲食店のサダメと分かっていても
やっぱり寂しいものです。でも、エールと共に暖かくお見送りするのも仕事の内。
お二人のご活躍と健康を心から祈っておりました。
で、そんなある日、ひょっこり国際電話がありましてね、なんとディナーの
ご予約を頂いたんです。 うわーあのお二人に会えるんだ〜!うわ〜!!
ま、待ってたよ〜(涙)!
優しくて優秀で食いしん坊な学者ご夫妻です〜
でっかいスーツケースと一緒に元気いっぱいの変わらない笑顔も運んできてくれた
相変わらずの美男美女。そして相変わらずの旺盛な食欲!もう嬉しくて楽しくて、
ニヤニヤが止まらない一日でした(うっとうしかったでしょう、スミマセン)。
お土産に頂いた奥様のご実家、九州の黒酢♪
大事に美味しく頂きます!
こういう小さな大事件が、飲食店に従事する我々にとっての大きな栄養源になり
山を超える馬力、川を渡る勇気、谷を下る覚悟を頂いて、また風に吹かれながら
草原をのどかに歩く楽しみを与えられるんです。
「俺らみたいな小さい飲食店はさ、金持ちにはなれないけど幸せにはなれるんだよ」
ってどこかの店のシェフが言ってたっけ。 うん、分かる。身に染みる!
日本の宝でありクルルの宝である食いしん坊のご夫妻、お顔見れて嬉しかった〜!
今度お会いできる時は、もっともっと魅力的な店になって、もっともっと幸せを
存分に味わって頂きたいです。 よっしゃ! 日々精進いたしますよっ!