妄想停泊中
季節感が一番ダイレクトに出るのが何と言っても鮮魚料理。
お魚は旬によって種類が変わるし、味わいも濃厚になってきて
身質もしっかり弾力がついてきて、噛ませてくれる肉質というか
主張してくる旨みというか、濃い海の香りに秋を感じられます。
お魚がここまでやる気出してるんですからね、付け合せだって
指をくわえて逞しいお魚に見とれている場合じゃありません。
秋のソース、秋の付け合せ、季節感たっぷりにイメチェンして
お魚共々お皿を華やかに、旨みたっぷりに仕立てなくちゃ!
イトヨリのポワレ(鮮魚はその日入荷のものを使います)
栗とセップ茸のカプチーノ仕立て
お魚の下には帆立の温かいフランがあります
ごろんとしてるキノコはセップ茸!コンフィにしてます
さぁ、いざ 秋のお皿へ!
魚の皮目のパリパリを確かめたら、しっとりな身質を確かめて…
そしたら帆立のフランをスプーンですくって口元へ。
滑らかな舌触りと優しい旨みをじっくり楽しんで頂いてですね、
ここでフワフワに軽い口溶けのソースを一口!セップ茸の独特な
品の良い香りと栗の甘いホクホク感が、運命の恋人同士みたいに
溶け合っている様を見せつけられたところで、もう思い切って
セップ茸のコンフィをパクッとお口に放り込んで下さい!
コリコリした楽しい歯触りと溢れ出すセップの旨いジュ!
…喉が乾きました?そうでしょう、そうじゃないとね。
潔い酸と柑橘の香りが優しいソーヴィニョンブランなんかどうですか?
ロワール川に映る雲の流れに秋を感じながら、古城を巡る気分を
味わえるかもしれません。
又は、地中深く張り巡らせた根っこが吸い上げた美しいミネラル感に
溢れた繊細なピノ…。カサカサ音をたてる枯葉と共にセップの森を歩き
濡れた岩やスーボワの香りを深く胸一杯に吸い込むような、神秘的な
気分に浸れるかもしれません。
ちょっと言い過ぎました?
しかし、食は想像力あってこその楽しみですからね(妄想とも言う)、
さぁ、いざ 秋の海へ!そしてセップ茸の森へ!
っていうか新御茶ノ水へ!