アキレスの強靭なコラーゲン
「ハチノスと牛スジ、アキレス腱のトマト煮込み」。
地味ながらも実はビストロクルルの超ロングセラーでして
(これを目当てに来店下さるお客様が実は多いもんですから)、
これだけは13年間メニューから外したことがないんですよ。
もちろん国産、勿論フレッシュ(冷凍物は絶対に論外)、
もちろん無漂白、もちろん新鮮で何も手を加えていない
生粋のハチノス(牛の第二胃)を使います。この無垢で
神聖な食材を、何度も何度も浄水で茹でこぼし、美しい純白に
仕上げたところで、この料理の美食への長旅が始まります。
なんせ、全ての工程、仕込みに3日かかる料理ですから。
茹でこぼしによって美しい純白を手に入れたハチノス
それでもコリコリ触感だけはちゃんと残しています!
そしてフレッシュの牛スジとアキレス腱
赤い方が牛スジ(増田牛の)、白い方はアキレス腱
アキレス腱を茹でると、こんなんなります
コラーゲンがありあま~る!コラーゲンがありすぎ~る!
アキレス腱の断面図!ああ、コラーゲンが…
ありあまるって言うか、コラーゲンそのものです
これを細かくしていくのです(バットの中は牛スジ)
牛スジと一緒に幸せになってね!
そんでもってハチノスと一緒にトマトで煮込まれて…
めちゃめちゃ美味しくなってね~っ!!
ハチノス、ハチノス、と呼ばれる料理ですが、実は「牛スジ」と
「アキレス腱」が縁の下の力持ちをやってくれないと、どうにも
成り立たない料理なのです、旨みと濃厚なコクの牛スジ、そして
唇にまとわりつくアキレス腱のジューシーで美しいコラーゲン!
そう言えば、ギリシア神話のアキレス(またはアキレウス)は
身体能力が高くて有名だったらしいですね。俊足で、力持ちで、
戦闘能力が強く、数々の敵を悠々となぎ倒していったとか…。
ああ、もったいない。せっかくの強靭な肉体なんだから、弱点の踵を
弓矢で射られる前に、もっとコラーゲン摂っておけば良かったのにね。